私にとっての政治。石川くみ子

私にとっての政治

これまで研究してきたこと

これまで研究してきたこと

「格差」はもちろん、価値観や立場をはじめ様々な要素により国家や社会、コミュニティが分断されていった先に、幸福はあるのだろうか――というのが、この数年、ずっと気になっています。

小泉純一郎元総理大臣、とりわけ2005年の「郵政の挑戦」以降は対立する意見の持ち主を「抵抗勢力」として対話を拒否し、切り捨てていくタイプのリーダーシップがもてはやされすぎているように思うからです。しかし真のリーダーシップとは、自らが愛する国家、社会、コミュニティを分断させずに包括することによって維持していくことではないのでしょうか。

国家の、社会の、コミュニティの難問を一気に解決する秘策などありません。問題を単純化しわかりやすい単一争点のみを提示すれば、複雑な問題が隠蔽され真の問題解決が遠のくどころか紛争の芽を拡大させることになってしまうでしょう。

必要なのは、すぐには答えの出ない複雑な問いに堪え、異なる価値観・立場の人びとの背景を理解することと、対話をくり返す粘り強さであると思います。

特に地方自治に関しては、利害が対立する住民の意見を丁寧に吸い上げて摺り合わせといく「調整役」が必要です。地方議員は住民と行政のあいだに立ち、特定の個人や団体に対する利益誘導のみを行うのではなく、住民の意見を吸い上げて問題点を解決するための提案を行うコンサルタントであるべきだと考えます。実現できない「ベスト」を目指して住民を分断するのではなく、実現可能な「ベター」を目指して住民統合を進めるのが、身近な政治家としての区議会議員なのではないでしょうか。

そしてもちろん、住民はプロの政治家ではありません。しかし各々の仕事や学業、家事等に従事している「その道のプロ」であり良識をもっています。区議会議員には、その住民のプロとしての知識と良識を信頼し、共に街づくりを進めていくパートナーであるとの自覚が必須です。

そのため、住民にとってわかりやすくチェックしやすい区政を実現していくことが不可欠なのです。そこで、区議会改革を提言したいと思います。そもそも区議会サイトが独立しておらず、議事録や議案、陳情書等の検索が困難です。

また一議員がわずか10分間しか持ち時間を与えられていない一般質問や会派制度による少数意見や一人会派・小会派の封じ込め等の問題も解決されていません。さらに国会や東京都議会にはありながら、世田谷区議会には文書質問制度が導入されていません。これらの問題点を解決し、区議会を住民との協同による行政チェックできる機関に作り変えていきたいと思います。

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